カフカス地方、アゼルバイジャンの伝統的色調に、真っ白になったコットンと他の色糸が見せるのは、 アンティークになるまでの時間の経過です。 100年以上もの間、人目を惹く美しさを持ち続けたキリムです。 これからも変わらない存在感を見せ続けてくれることでしょう。
時間がかかりましたが、ようやく重い腰をあげ、ホームページにスマートホーン対策をいたしました。
画面にキリムが一枚づつ現れ、パソコンとは違った表情に、電車に乗る楽しみが増えてきました。
「キリムズジャパン」で検索していただきますと、画面が表れます。
よろしくお願いいたします。 斎藤
カフカス地方の古いキリムは、糸、染め、織りの三拍子が揃い見事です。
その昔、黄金の羊と呼ばれたトビッキリ艶やかなウールが使われたキリムは、時がたてば経つほどその実力を見せてくれます。
http://www.kilimsjapan.com/item/17661
トルコのコンヤキリムも負けてはいません。祖母と孫娘の競作に見えるキリムは、伝え継ぐことの意味を教えてくれます。
http://www.kilimsjapan.com/item/17668
バルケシール、ベルガマの昔のキリムは、見る度ため息を誘います。
糸の艶、鮮明な深い染色、高い技術の織り・・・初めてキリムを目にする人でさえ、他地域との違いを感じます。
小さなクッションになったキリムですが、クッションを超えた大きなエネルギーがお部屋を変えてくれます。
エーゲ海沿いの西アナトリアに位置するベルガモン遺跡で知られるベルガマは、真っ青な空が印象的な町です。
空の青や海の青を連想させる当時は新しい色のキリムを織ったのは、熟練した織り手です。織り手が目に見える形にしてくれた技量やエネルギーが、見る者を楽しませてくれます。
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あまりの精緻さとめずらしさに、オーナーの宝箱に閉じ込められていたキリムです。誰にも見られず、空気の流通も少なく、ましてや光とは長い間無縁でした。
重くどんよりした表情は、日本の空気と光、そしてお客様の感嘆を受ける度、本来の輝きを取り戻していきました。
キリムの幅の広さに驚かされたのを思い出します。どうぞ、当方の自慢のキリムをお楽しみください。
ヨーロッパ側トルコ、シャルキョイには東欧系のキリムが集まります。
キリムは、細く強い糸を使い、どこまでも薄く、色数が抑えられています。共産圏の高級官僚や貴族の邸宅を飾ったキリムは、精緻でおしゃれです。
その流れをくむ輸出用キリムは、やはりアジア側とは一味ちがいます。
テントの中心に置かれ、家族や来客を暖かく包んだ大きなキリムは、誰もが織れるものではありませんでした。
部族を代表する大作は、当然、糸、染、織りの三拍子が揃った見事なキリムです。
「好き!」と出合ったキリムを、工夫しながら楽しまれているお客様たちです。
お好きな空間作りにご参考になさってくだされば、幸いです。
50年ほど前のこのキリムは、縦糸にコットンが使われています。
ミラス地域も、この頃から輸出を意識したキリムを織り始めたようです。ウールより丈夫な手紡ぎされたコットン糸は、キリムが自家用より輸出用と語っています。
見たこともない外国人のために織るキリムでも、染め、糸作り、織りの丁寧な仕事は、家族の為に織り続けたキリムと変わりません。
織り手の気持ちが込められたキリムが輝いてるの当然ですね。
芳醇な土地バルケシールは、西アナトリアにあります。
恵まれた気候は、古くから上質のウールを産し、ある部族は思いっきり色を楽しむキリムを織り継いできました。
同じ染料に浸しても、自然の状態に加え、ウールの撚り方、糸の太さなどで、微妙な違いを見せる「色」に、織り手達は楽しみながらチャレンジを続けました。
デニズリ及び隣のウシャクは、昔から西アナトリアの織りの中心地であり、様々な部族のキリムの集積地として栄えました。
基幹産業としてキリムの輸出が盛んになるにつれ、重要な大産地として多くのキリムを世界中に送り続けています。
これは輸出が始まった初期のキリムです。お楽しみください。
1950年代の定住化政策の後も、比較的遅くまで遊牧を続けた彼らは、輸出に飲み込まれるのも遅く、このような伝統的キリムをそれなりに残しています。
現在のマーケットでは、遊牧民の名残を残すオールド前半のキリムでも貴重品です。
西アナトリア、地中海沿岸にあるフェティエの遊牧民は、比較的遅くまで遊牧生活を続けており、彼らの縞柄のキリムは最近のインテリアにも使い易く、人気があります。
遊牧生活の中、必需品であったキリムは痛みも早く、最近のマーケットで出合えるキリムは、50年前後の古さの物が多いようです。。
100年に近いしっとりした上等のキリムの表情をお楽しみください。
約100x50cm前後のクッションのように細長い袋は、テントの中では寛ぐ時のクッション、移動の際は、ロバやヤギなどの背に括り大切な穀物や装身具などを運びました。
家族団らんの中心に置かれるクッションは、家族の誰にも心地よく、明日へのエネルギーとなるよう織り手の思いがたっぷり込められています。
そして、移動の際、多くの人々の目にさらされる同じクッションは、部族の象徴です。上等のウール、染め、織りの三拍子が揃ったお陰で、時空を超えて、当時の表情を楽しませてくれます。
1m以上あった細長い袋を、表と裏の2枚に分けました。
こちらは表側のジジム織りです。左の写真は、下部に細い丈夫な紐が縫い付けられていた名残です。光の当たらなかった部分は、紐がかかっていた通りに跡が見えます。
織り手の几帳面な性格が伝わってくるエレガントなキリムですが、本来の表情も残してみました。どんなに美しいキリムでも、それはすべて家具としての実用品であったことを伝えています。
シルクロードの中継点であったウズベキスタンの夏は、40℃にもなる気温が過酷です。しかし、乾燥地帯ゆえ、ホテルの外で汗をかくことがありません。瞬間に、蒸発してしまうのです。
2リットルのボトルを抱え、水分補給をし続けながら観光地を歩いたのが、懐かしく思い出されます。
それにつけてもこの湿度の高さが、私達には過酷です。
中東遊牧民女性の衣装は、どれも魅力的です。
織り手の織りや刺繍の技術高さを誇示する衣装は、それが普段着であれ、ハレの日の衣装であれ、織り手達は精一杯の仕事をしています。
キリムも衣装もすべてが手仕事の時代、織り手達の尽きることないエネルギーに、感心させられます。
西トルコ・ヘルワジの珍しいヘイベです。
ヘイベはロバやヤギの背に掛けた物入れです。草原をゆらゆら揺られながら、次の牧草地を探す遊牧民の姿を想像すると、暑い夏でも、どこからかの心地よい風が感じられます。
多くのキリム好きのお客様は、個性的な空間作りを楽しんでいらっしゃいます。一枚のキリムが季節や気分により、違った表情を見せてくれます。