KJ16779、239x88cm、マラティア, アンティークジジム織り(ウール/ウール)

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キリムNo.: KJ16779

産地: マラティア, アンティークジジム織り(ウール/ウール)

寸法: 239x88cm

価格: 352,000円

100年位前のマラティア・クルドのキリムには、まるでコチニールかと見間違えるほど、このようにコクのある深い紅赤が使われています。
今でも高級染料であるコチニールは、19世紀後半、エジプトで大規模な生産が行われ、それまでの宝物のようなコチニールからお金さえ払えば手に入る染料になりました。それとて、遊牧民には高値の花だったはずです。

1860年代ドイツで生まれた化学染料の最初の色は、コールタールからの抽出物であるアリニン紫と呼ばれたふじ色です。そのアリニン紫を酸化させて抽出したフクシンは深紅、もしくは紫紅色です。

このような事実から、この紅赤が草木染であれ化学染料であり、100年以上前の染料であることを伝えてくれます。当時、織り手は高いお金を払い化学染料を買ったと思われます。
トルコでは草木染であれ化学染料であれ、良いものは良いという価格が古いキリムに付けられているのは、このような理由からです。

上等のウールが細く強く撚られた縦糸に、横糸がビッシリ織り込まれています。
これはチュアル(衣類袋)だったものですが、卓越した技術を持った織り手は、何代もの子孫に大事に伝え継がれることを念頭に、全体を細かいジジム織りで丁寧に織上げています。糸の作り方、染色の仕方そして織り方、どれを取ってもとびっきりのキリムは部族の誇りとして、多くの子孫を叱咤激励し続けたことでしょう。

100年以上の時間と光が創り出した落ち着いた雰囲気ですが、絹のような光沢を放つ手の込んだジジム織りは、別格の華やかさでその存在感を示し続けることでしょう。


眼=邪視除け バードック=裕福 ドラゴン=豊かさをもたらす 羊の角=繁栄、たくましさ


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