KJ10569、207x131cm、カフカス、シルヴァン、オールドキリム

キリム長さ 2m以上, 商品

キリムNo.: KJ10569

産地: カフカス、シルヴァン、オールドキリム

寸法: 207x131cm

価格: 286,000円

洋世界の敷物で、古代より最も称賛されてきたのが、コーカサスの織り手だと言われてきました。グルジアには、メリノ種の中でも飛びっきり上等の羊が発見されています。単に羊毛の質のみならず、織り手が創造する鮮明で澄んだ色調の世界、高度な織りの技術などが、コレクターの気を惹き、コーカサスのキリムに高い評価を与えてきたのです。

ロシアの南部に位置し、131cmトルコとイランの国境に接するコーカサス地方は、アゼルバイジャン、ダゲスタン、アルメニアとグルジアからなる地域です。昔から多くの異民族や旅行者がこの地を往来した結果、現在では、約350の部族がいて、90以上の異なる言葉が話されているそうです。19世紀までの絶え間ない紛争は、この地域の経済の破壊と文化の衰退という結果を引き起こし、現在では、あまり多くの敷物が残っていません。

19世紀末から20世紀にかけての化学染料の急速な発達はこの地方にもおよび、高く評価されていた熟練を要した植物染料の織り物は、簡単な化学染料に徐々に取って代わられ、伝統的な鮮明で澄んだ色調のキリム作りは事実上終わってしまったと言えます。

1995年に手に入れたシルヴァンです。良質のウールを細く固く撚ったシルヴァンの伝統的キリムは、このようにボーダーがなく、画面はダイヤモンドや三角形の文様が等間隔で配列されています。
もはや貴重品となったこのキリムは、透明感のある染色が織り手の丁寧な仕事により、一層、引き立てられています。アクセントに使われたコットンの白が、色にリズムを与え、明るい元気を運んでくれるキリムです。
ソ連崩壊後の一時期、トルコのマーケットに出てきたカフカスキリムは、このように美しく上等でした。現在、カフカス系のお店に出かけても、もはや心惹かれるキリムはなく、高額です。こんなに鮮明な色調があった頃のカフカス地方を想像しながら、キリムに向かえば、心の引き出しが一つ増えそうです。
*コットンの上のシミは洗濯済みです。現状でのお渡しとなります。


眼:邪視除け  水の流れ:生命を支える水が、常に身近にありますようにとの願い


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