KJ24401、90ｘ73ｃｍ、ベルガマ, オールドジジム
キリムNo.： KJ24401
産地： ベルガマ, オールドジジム
寸法： 90ｘ73ｃｍ
価格： 69,300円
ウールとヤギの毛で織られたオールドチュアル(衣類袋)には、ベルガマの伝統カラーである赤、藍と天然の白がジジム織りに使われています。縦糸に使われているヤギの毛は、ここまで固く撚れるのかと感心するほどの技術で撚られています。
エーゲ海沿いのアナトリアにあるベルガマには、古い都市国家文明が存在し、アレキサンダー大王の遠征後、古代ローマに統治されるまで、ＢＣ２００年から１００年に絶頂期を迎えた町です。文化と医療の中心地として発展した町には、エジプトのアレキサンドリアに匹敵する約２０万冊の蔵書を誇る図書館がありました。
このような文化的な歴史の下、ベルガマにはキリム織り以外にも、ジジム織りやズリ織りなど、工夫が必要とされる技法が伝わっています。
これは２０００年に手に入れたチュアルだったものです。ベルガマにしては珍しい化学染料のピンク色と、とても濃い赤と黄をたくさん混ぜたような橙色のアクセントの使い方に目を引かれました。
上等なウールを使った細かい正確な織りは、高度な技術を持った織り手のものです。
衣類袋を一枚にして細長いランナーにしたところ、袋の裏側として天然の茶の糸だけを使った平織りが、縦糸のヤギのせいで、くるくると丸まってしまいます。どうしても手に負えず、表のジジム部分はこのサイズに、裏側は茶のクッションになりました。
高い技術の持ち主ですが、自家用チュアルの誰の目にも触れない裏部分は力を抜いて織っています。そしてこれは、化学染料が手に入った喜びを表現した袋なのです。
織り手たちの素晴らしい創造性や感性、技術には目を見張らされながらも、同じ織り手の手抜きまで、一枚の布の中にあるアンバランスさが、なんともキリムらしいのです。
多くの織り手には、キリムは必需品としての家具であり、己の感情表現です。工芸品と呼ばれるようなキリムは、長い時間を重ねた結果のご褒美なのです。
眼＝邪視除け ベレケット＝豊穣 羊の角＝繁栄、力強さ
Ｓ字フック＝邪視除け