KJ14519-A、293x100cm、アイドゥン、アンティークキリム(ウール/ウール)

キリム長さ 2m以上, 商品

キリムNo.: KJ14519-A

産地: アイドゥン、アンティークキリム(ウール/ウール)

寸法: 293x100cm

価格: 286,000円

KJ14519-Bも、「キリム長さ2m以上」にアップしました。
真ん中から剥がれた2枚でしたが、左右の色は、一方は濃い赤、片方はパステルです。これが、一年中移動を続けた遊牧民の織り手たちのしなやかな感性なのです。

彼らの織り機は移動に便利な水平機です。放牧中の場所で、地面に水平に織り機を張り、縦糸の上に座り、自分を重石として織ります。
最初の年は豊かな気候に恵まれ、牧草も植物も十分育ち、深く豊かな思い通りの色調で織りが出来ました。片側が終わりもう一方の作業に取りかかった次の年は、厳しい天候に見舞われ、上質のウールでも思うような色調に染まりませんでした。そんなことを想像させる右と左です。

自然に身をゆだね生きた遊牧民たちは、すべてが神様の思し召しと考え、しなやかに謙虚にあるがまま受け入れた人々です。同じ植物でも、昨年と今年の色が違うのは当たり前です。「極める」文化に対し、「あるがまま」文化を見事に表現しているのがキリムです。

誰もが惹かれる深い赤色は、青、赤、黄と黒に近い色が出せる植物を合わせて染め出しています。赤を基調に他の割合を変えながら染め出したのは、茜色でもなく臙脂(えんじ)色でもない、織り手だけの赤色です。
オレンジを感じる朱色に近かった赤色、薄紅色、赤紫色など、色出し名人は自由自在に赤色で遊んでいます。
インディゴも重ねて、透明度の高い深い紺色に染めています。その紺色をナチュラルな濃い茶色や茶色で囲み、隣の白色を落ち着かせています。

織り上がった当時の華やかさを残しながらも、自然が100年以上の時間をかけゆっくり褪色させたキリムは、柔らかくなった表情が誇らしげです。

織る事より染めることに秀でた織り手です。その織りは、時々、集中力が途切れ遊んでいます。幅が広くなったり、柔らかくカーヴしたり、織り始めと織り終わりの柄の大きさが違ったり、苦戦しながらようやく仕上げたようです。
己を知っていても、こんな大作にチャレンジする気持ちを抑えられないのが、キリムの織り手達なのです。



眼=邪視除け、 ベレケット=豊穣、 羊の角=繁栄、多産、たくましさ、 水の流れ=生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い、 星=幸せへの願い


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