KJ33607、40x40cm、アナドルー、アンティークキリムクッション(ウール/ウール)

クッション, 商品

キリムNo.: KJ33607

産地: アナドルー、アンティークキリムクッション(ウール/ウール)

寸法: 40x40cm

価格: 22,000円

キリムの織り手達は、様々な技法を使いキリムを織っています。キリムとはトルコでは様々な織り方の総称です。
縦糸に横糸を入れ縦糸が見えなくなるまで詰めていく織り方を、トルコではキリム織り、日本では綴れ(つづれ)織りと呼びます。このキリム織りに色糸を使い柄を付けていくのが、遊牧民がそれぞれに伝え継いでいる織物です。
トルコでは縦糸に横糸を入れた上に柄になる横糸を横に入れていくジジム織り、畳の目のように縦糸を一本通しながら、柄になる色糸を横に入れていくズリ織りがポピュラーです。

先祖より伝え継がれているこのような織り方を使いながらも、自分の創作の織り方をする織り手達もいます。当然、織りに関するすべてに長けた、創造性のある織り手の世界です。

移動を繰り返しテントで暮らした遊牧民は、移動に不便な木の家具は持たず、家畜の毛を使った織物すなわちキリムで、床敷き、間仕切り、壁掛け、衣類袋、枕など、あらゆる物を作りました。
嫁ぐ娘は、新しいテントを飾る二十数枚のキリムを持参品として持ち嫁ぎました。婚家から実家への返礼の家畜の数が、キリムの出来の良し悪しで変わりました。
娘への愛情、より良いものを作りたいと願う織り手達の情熱、現実的な計算などが、織り手達を一層キリム作りに没頭させていきました。そんな時間の流れの中、自身の織り方に到達する織り手がいたのです。

鮮明な茜色をベースに、天然の濃い茶に藍を掛け黒色に近づけた糸、天然の白いウールにかすかに茜を掛けた糸、今ではグレーに褪色した藍色で、全体に緻密な仕事がなされたキリムです。
織り手はキリム織りされた地織りの上に、2mm角にクロスさせた横糸を入れています。色糸を斜めに入れる織り方はイランのスマック織りに似ていますが、この織り手は糸を十字にクロスさせています。開いた口がふさがらない程の細かい織りは、ジジム織りでもズリ織りでもスマック織りでもない、この織り手のオリジナルです。

織り手独自の時間の流れは、大事に使い継いだ子孫たちの手を借り、今、艶やかでしなやかな珍しい織物として私たちを楽しませてくれる、とびっきりの技法です。



チェスト(箱)=子孫繁栄、 眼=邪視除け、 羊の角=繁栄、多産、豊穣


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