KJ39005、39x40cm、ベルガマ、オールドキリムクッション(ウール/ウール)

クッション, 商品

キリムNo.: KJ39005

産地: ベルガマ、オールドキリムクッション(ウール/ウール)

寸法: 39x40cm

価格: 19,800円

ベルガマにあるベルガモン遺跡には多くの旅行者が訪れます。ベルガモンは、青銅器文明が始まった古代都市トロイの時代(前11世紀)から存在していた都市国家で、紀元前2世紀頃からローマ時代にかけ繁栄した都市です。
ローマ、ギリシャや小アジアとの交易は莫大な利益を上げこの地域を豊かにしていきました。数多くの神殿や図書館が作られ、羊皮紙を発明した当時の繁栄を今に伝える遺跡です。

そんなベルガマには、濃く深い赤、藍、茶などの色調のキリムが伝えられてきました。
又、伝統的なデザインは、繰り返される小柄やファーティマの手の文様などです。

濃い茶と濃い赤の間のような色は、ワインレッド、日本では葡萄色でしょう。
青、赤、黄、黒を混ぜ、歴史を感じさせる濃く暗い紫みの赤を染め出した織り手です。隣のもう一段濃い茶は天然の羊の色です。天然の白い羊の毛には光の加減でシミが見え、時代を感じさせます。茜を染め分けた赤色も、深い藍色も見事です。
使い続け無駄毛が取れた上質のウールは、艶やかさを増し、色調を一層引き立て、小さいクッションにもかかわらず、抜群の存在感を見せています。

織り手は、伝統的なファーティマの手の文様を、櫛のデザインに織り込んでいます。
ファーティマとは、預言者ムハンマドの四女の名前です。ファーティマはカリフ(教主)の地位を、父の血を受けた者に継がせようと戦った女性で、のちに理想の女性として敬愛された人です。
ファーティマの手をかたどった5本指の文様は、邪視除けの護符として用いられてきました。この5本指は、イスラム教徒にとって最も大切な五つの信仰の柱である、信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼を表していると言われています。

娘の嫁入りの持参品キリムの「櫛」文様は、幸せな結婚を願う祖母や母の願いと、幸せな結婚を守る娘の強い気持ちが織り込まれています。
その櫛に祖母は、ファーティマの手の文様を加え、孫娘に将来のあるべき姿を教えているのです。キリムが織り手の気持ちの表現と、改めて感心させられました。



櫛=幸せな結婚を守る、 眼=邪視除け、 羊の角=繁栄、たくましさ、S字フック=邪視除け、 ファーティマの手


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