KJ31605、186x103cm、マラティア、オールドキリム(ウール/ウール)

キリム長さ 170cm前後, 商品

キリムNo.: KJ31605

産地: マラティア、オールドキリム(ウール/ウール)

寸法: 186x103cm

価格: 220,000円

透明感のある濃い赤、藍、赤茶、オレンジそして抹茶色、どれもマラティアの豊潤な土地からの恵です。すっかり無駄毛が取れたにもかかわらず、織り上がった当時の色調が、織り手の実力を示しています。東トルコ、マラティアの豊かな一年を表現しているように濃い色調のキリムは、もう100年に近くなりました。

乾燥地帯にある植物は,四季のある日本と比べると、勿論、地域性はありますが、はるかに濃い色が採取出来ます。甘いトマトを作るため水をあまり与えないのと同じく、雨の少ない土地では、植物自身が少ない水でも頑張って力一杯の色素をその根に蓄えます。その結果、高い染色技術を身に付けた織り手は、こんなに濃い色を染め出せるのです。

マラティアのクルド族は2000年近くも遊牧生活を続けた人々です。その間、彼らが常にウールの改良を続けたお陰で、この地域の毛は長く、柔らかく、とても艶やかです。
水と光に恵まれたマラティアの織り手は、一年中手にできる健康な植物のお陰で、思い通りの色出しができる技術を身に付けていました。染色は至福の作業だったのです。

美しく染まった色糸で織ったのは、チュアル(衣類袋)です。
マラティアクルドの特徴ですが、チュアルには必ずジジム(刺繍)織りが入れられています。このデザインは、それぞれの家紋だと問屋さんは言います。アンティークに近いキリムにはウールの白糸が使われ、それより若いキリムにはコットンが使われています。
地中海岸地域の綿の産地からやってきたコットンは、使い込むほど白さを増してゆく性質を持っています。時間と共に落ち着きを見せていくウールより、色糸とのコントラストを強調出来るコットンに、近年の織り手達は魅了されたのです。

これは2004年に出合って以来、温めていたキリムです。
近年、キリムはお部屋の癒しとして柔らかい色調が好まれたため、長い間、待機中でした。
人気のマラティアキリムですが、この様に上質はもうトルコでは出合えません。燦々と降り注ぐ光に気持ち良さそうな表情のキリムに、「出番ですよ!」と、声をかけました。



眼=邪視除け、 羊の角=繁栄、力強よさ、 水の流れ=生命を支える水が、常に身近にありますようにとの願い


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