KJ15398、154x115cm、東北トルコ、エルズルム、アンティークキリム

キリム マイギャラリー

キリムNo.: KJ15398

産地: 東北トルコ、エルズルム、アンティークキリム

寸法: 154x115cm


 

礼拝用キリムが有名なエルズルムは、冬は降雪量が多く気温は氷点下になり、夏でもめったに20度は超えない地域です。織りに最も必要なのが冷たい水であり、ここは理想的なキリム織りの土地と言われてきました。
小さな柄で埋め尽くされたミフラブ文様やすっきりした色の濃淡で織られた文様は、どれもそれぞれの表情を持つ、織り手の高い技術と表現力に裏打ちされた最高品です。

大らかさと緻密さが入り混じったアートのようなキリムに出合ったのは、1997年です。
「柄付けはカーズマンかエルズルムだよ。これほどのウールと表現力はエルズルムだ。」と、問屋さん。自由自在の創造力を持った先祖のキリムは、子孫でも見分けが付きません。

中心に置かれたエリベリンデに従うべく織り込まれたであろう数々の柄は、アッチを向いたりこっちを見たりして遊んでいます。プリミティブであり無邪気なキリムは、相当な腕と創造力の持ち主の作品に違いありません。変わったエルズルムである事と不思議な色調も捨てがたく、1997年、大枚をはたいたキリムは、ますます独特な雰囲気に磨きをかけながらオーラを放っています。
この100年、持つ人に沿いながら、時に癒し、時に力を与え続けてきたキリムです。光輝くウールはしなやかで、いつも持つ方の「益友」として大事にされてきたのです。

櫛のように見える5本の指のような文様は、「ファーティマの手」と呼ばれています。ファーティマは、預言者モハメッドの四女です。彼女の手を形どった五本指のデザインは、邪視除けの護符として用いられてきました。
この五本指は、イスラム教徒にとって最も大事な,「信仰告白」、「礼拝」、「喜捨」、「断食」、「巡礼」の五つの信仰を表しているとも言われています。

この様な歴史を知ると、このキリムが放つ不思議な力に納得いたします。
床に置くアートとして、日々、目にしながらの毎日が、世界を広げてくれそうです。




デザインは、 眼=邪視除け、 ドラゴン=豊かさをもたらす、 狼の口=邪視除け、
エリベリンデ(腰に手を置く女性)=繁栄、多産、豊穣、


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