KJ36837、127x126cm、バルケシール,セミオールドキリム

キリム長さ 120cm前後, 商品

キリムNo.: KJ36837

産地: バルケシール,セミオールドキリム

寸法: 127x126cm

価格: 74,800円

濃い独特の赤色の濃淡が伝統的に伝えられてきたバルケシールでは、時代が変わっても、織り手達はやはり伝統の赤色のキリム作りにこだわりを見せています。

画面に何の文様も置かず、赤色の濃淡が強調された魅力的なキリムは、幾何学文様を見慣れた人々には新鮮でしたが、織り手の染色技術がもろに試されるキリムは、織り手に相当の忍耐力と創造力を求めたようです。
植物染料は何回も染めることを繰り返しながら、濃い色調にしていきます。色に濃淡と言う表情を与えるには、何回も染めを繰り返さなくてはならないため、上等のウールが必要です。であるからこそ、染め織りの技術を持った織り手のみが出来る作業でした。
素晴らしい出来栄えのキリムを横目に、挑戦を繰り返しながらも、悔しい思いをした織り手は沢山いたことでしょう。

この正方形に近いセミオールドキリムは、食卓(ソフラ)のようです。
色だけの食卓は、この上に置かれる料理を一層おいしそうに見せてくれたことでしょう。織り手のジジム織り(刺しゅう)もシンプルで、始めから上に物を置くための布として織られたような気がします。

ボーダーに濃い天然のウールを使い、柔かくなった赤色のグラデーションは、40~50年前の織り手には精一杯の色出しだったのかも知れません。
部族の家紋のような伝統柄は、長い時間掛けてもそのデザインはほとんど変わりませんが、色は自然環境の変化のせいで、20~30年ごとに薄くなってきています。たとえ先祖のやり方そのものを踏襲したとしても、先祖の色は出せません。致方ないことですが、これが伝え継ぐということかも知れません。
織り手と子孫と自然の力が創り出した柔かいキリムの色調は、落ち着いた空間でやさしく家族を見守ってくれる柱のような存在でしょうか。


眼=邪視除け、S字フック=邪視除け


▲トップに戻る