KJ14490、273x80cm、マラティア, アンティークキリム

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キリムNo.: KJ14490

産地: マラティア, アンティークキリム

寸法: 273x80cm

価格: 374,000円

ツヤツヤのウールに使われている色は藍色と茶色、そしてコチニールを連想させるオレンジを含まない濃い赤紫です。濃い色調が落ち着いた重厚感を漂わせているキリムなのに、コットンと金属が織り込まれています。
クールな華やかさ溢れたこのキリムをまじまじと見ている私たちに、問屋さんは「マラティア・クルドに伝わる織物だよ。」と分厚い本を見せてくれました。
キリムのバイブル「Kilim The complete guide」です。
「ほー!」と感心しながら手に入れたのが1996年です。

16年が経過した今ではアンティークキリムになりました。
上等のウールは、キリムに織り手の技術以上の力を与えます。100年の時間が、キリムにツヤを与え、コットンの白さがこのキリムの古さを伝えています。細かい模様が織りなす陰と陽のコントラストは、一つの模様からもう一つの模様へと目を向けさせ、この織りの複雑さを色と柄と素材で強調しています。

色は肥沃な土地マラティアと染色上手の織り手が創り出しました。柄はこの部族に代々織り継がれてきた、部族の象徴です。そして素材は、この家族の力や経済力を示しています。
マラティアは素材にも恵まれ、織り手は羊を始め、様々な家畜の毛やコットンを自在に手にしていました。ですが、金属はその家の力や権力を示したそうで、部族長など特別の家族に限られていました。

嫁ぐ相手が決まると母や祖母と共に娘は、嫁ぐ相手との末永い幸せを願いながら、手に入れやすい綿糸やウールをキリムに固く結びました。
金糸や銀糸が使われた部族の力を象徴する特別なキリムは、嫁ぎ先では貴重品として、娘共々、大事にされたそうです。金属糸は長い時間の間にすり減りましたが、そのなごり糸を眺めながら遠い昔を想像すると、彼らの世界が広がってきます。


ベレケット=豊穣 眼=邪視除け イヤリング=幸せな結婚を願う
水の流れ=生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い


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