KJ37620、227x69cm、コンヤ, ナチュラルウールキリム

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キリムNo.: KJ37620

産地: コンヤ, ナチュラルウールキリム

寸法: 227x69cm

価格: 198,000円

様々な遊牧民が移動を繰り返したトルコには、実に多くの部族のキリムが伝え継がれてきました。キリムに多く見られる幾何学文様は、日本の家紋のようにそれぞれの部族を象徴するデザインです。また、この様に柄は使わず、色調や技法だけでキリムを織る部族もいました。特に、中央アナトリアのコンヤ周辺を移動したトルクメン族は、色調だけのキリムや横縞だけのキリムを織り継いできました。

これは、トルクメン族の子孫の問屋さんが、次世代の子孫に伝え継ぐべく織り上げた天然ウールのキリムです。柄を使わない先祖は、織り方で部族を象徴するキリムを織りました。

一頭の羊は、通常、様々な色が混ざったブチです。
混じった天然のウールを色ごとに分けていくのは大仕事です。が、先祖代々伝わるキリムを子孫に伝え継ぐと言う大きな目標を前に、どの織り手も出来上がるキリムを想像しながら、色分けを楽しみながら、この大変な仕事を進めていたのです。

色分けしたそれぞれの色で糸を撚り終えれば、このキリムは出来上がったようなものです。
後は、織り機に掛けられた縦糸に、横糸に使う色糸を入れてゆくだけです。織り手は、雑巾を縫う“運針(うんしん)”と呼ばれる技法で織りを進めました。縦糸に雑巾を縫うように上下、上下と糸を入れていく運針だからこそ、まるで波のような柄が織れるのです。
織り手は、ゆったりと流れる水や大空をゆっくり移動する雲を見ながら、キリムを織りました。彼女は、空に飛び交う鳥たちの歌声もキリムに織り込んでいるのかも知れません。

通常のキリムの倍は時間のかかる“運針織り”ですが、この技法を好んでくれるお客様がいればこそ、部族の文化が継承されると言う考え方が、問屋さん達の中にあります。彼等は、いかにそれぞれの織り文化を次世代に伝え継ぐか、に日々心を砕いている人たちです。

幸いにナチュラルな色調は日本人の好みであり、落ち着いて自然な空間作りの味方です。私達のニーズが、1500年も続く遊牧民の織りの文化の継承の小さな力となっていることをお伝えできるのは、幸せなことです。


水の流れ=生命を支える水が、常に身近にありますようにとの願い


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