KJ31269、211x45cm、カース, オールドヘイベ

商品, 小さなランナー

キリムNo.: KJ31269

産地: カース, オールドヘイベ

寸法: 211x45cm

価格: 176,000円

ヘイベとは移動の際、ラクダやロバの背にかけられた袋です。
動物の背にかかるよう細長く織られ、両側は小物が入る袋になっています。ヘイベは移動の先頭を行くラクダの背に掛けられることが多く、このキリムのように、部族の家紋のようなデザインが、遠くからでも目立つように織り込まれているものを時に見かけます。
羊やヤギなどの家畜を連れ、水と草を求め一年中移動を繰り返しながら生活した遊牧民です。その移動ルートは決まっており、遠めの効くキリムのデザインが他人の土地を通る際の通行証の役割を果たしました。

東トルコ、カースの伝統的キリムは、ベージュ、茶、焦げ茶などの天然のウールを縦糸とベースに使った、落ち着いた色相のキリムです。アクセントに使われる色糸も暗い色調の茜、橙やからしなどです。

これは、化学染料で染め、織られたキリムです。
化学染料が使われたヘイベは、黄、黄緑、肌色、オレンジ、ピンク、赤、紫など色、沢山です。手にした憧れの染料に、熟練した織り手は心躍らせながら色出しを楽しみました。
沢山の色糸を使ったキリムは、カースの織り手たちには、いつか織ってみたいキリムだったことでしょう。作った色糸全部を使って織ったヘイベは、はるか遠くからでも十分にこの部族の存在を示してくれたはずです。

技術を身に着けた織り手は、縦糸にヤギの毛を使っています。色糸も色により、ヤギの毛が使われています。常に今以上を目指したのがキリムの織り手たちです。
カースではめったに目にできない華やかな色調だけでは満足せず、糸にもこだわる織り手がもう一つ見せてくれているのが、両側の星のデザインの中心にある丸い糸の塊です。
ここは珍しく、絨毯のパイル結びです。

織り手が楽しみ、子孫が楽しんだヘイベが、今度はタペストリーやランナーとして、持つ人を楽しませてくれます。これがキリムの心です。


眼=邪視除け 星=幸せへの願い 櫛=幸せな結婚を願う
羊の角=繁栄、たくましさ 狼の口=邪視除け


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