KJ15447、207x140cm、コンヤ、草木染キリム

キリム長さ 2m以上, 商品

キリムNo.: KJ15447

産地: コンヤ、草木染キリム

寸法: 207x140cm

価格: 242,000円

1997年に手に入れたコンヤキリムは、当時、ニューウエーブと呼ばれたグループにより、昔の伝統に忠実に従い織られたキリムです。伝統に従う製法でありながらも、現代空間にマッチするキリム作りが彼らの目標でした。
羊の毛を丁寧に親指と人差し指で紡ぎ、糸を作ります。その糸を植物で何回も染め、徐々に濃い色にしていきます。そして、織り機に張られた縦糸に、染色された横糸を入れていきます。この昔の製法に従いキリムを織れるのが、何十枚もキリムを織った熟練した織り手たちです。

藍色を基調にしてブルー、青、藍色、深緑など様々な色を作り出している見事な腕は、キリムの中心のミフラブデザインを、伝統的な茜色ではなく、青色を含まない桃色のような、サーモンピンクのようなモダンな色にしています。これがニューウェーブです。
この色の組み合わせは、モダンでありながらも、土地に根ざした織り手の個性的な色彩感覚に見えます。子孫の織り手たちに受け継がれている創造力は、織り手が生きた時代の風を肌で受け止めながら、おおらかにその時代の流れを表現しています。

そして、手で紡がれた糸の処理が目を惹きます。フサの始末はキリムの最後の仕上げです。織り手はこの仕事を急ぐことなく、本体以上の時間をかけて三本の糸で、丁寧に三つ編みにし、その上に飾りのブルーの色糸まで結んでいます。鼻歌混じりに結んだ三つ編みは、かかる時間より、出来あがる本数を楽しんでいたように見えます。

彼らが実践している、最後まで使い切る事、すなわち物を大切に使い切る事を、フサを通して眺めていると、思わず暖かな気持ちが湧いてきて、このキリムが一層身近に感じられます。
忠実に先祖のスタイルに従いながらも、今を生きる自分の感覚や、その時代の流行を簡単に取り入れられる能力は、常に感性を磨き続けた遊牧民への神様からのプレゼントです。



ミフラブ文様=礼拝用デザイン 櫛=幸せな結婚を守る
足かせ=友愛 狼の口=邪視除け


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