KJ8486、128ｘ92ｃｍ、デニズリ, セミオールドキリム
キリムNo.： KJ8486
産地： デニズリ, セミオールドキリム
寸法： 128ｘ92ｃｍ
価格： 132,000円
２０年間に出合ったキリムです。
ウインドウに数飾られていたキリムの中で、柄付けが通常と違う絵画のようなキリムは、その色調もその柄付けも、異彩を放っていました。アートを勉強した創作力ある人の織ったキリムなのでしょうか？伝統に沿ったクラシックさの中に現代を感じさせるキリムに惹かれ入った店は、ごくごく伝統的なキリム屋さんでした。
「楽しいキリムね？」の問いにオーナーは、「一番年長者の織り子の物だよ。いいだろう？確かな織りだよ。」と答えました。私達は柄付けの独創性に関心を持ちましたが、問屋さんは技術の高さを褒めました。この違いのお蔭で、お買い得キリムを手にしました。
のびやかで動きのある柄付けのキリムは、すべて化学染料で染められています。
化学染料の持つ色調が、このデザインを一層クラシックモダンなアートに見せているのでしょう。確かに織りは上手です。横糸の入れ方は始めから終わりまで滑らかで、柄の置き方もほとんどブレがなく、数をこなしてきた織り手の作品であることが伝わります。
中央に置かれた大きな星も、見たことがないほど左右が対称です。織り続け、鍛え抜かれた技術は、無心に織る事により完璧な柄付けを完成させたようです。
化学染料で染められ、織上がった華やかなキリムは、３か月程雨の少ないアンタルヤで天日の下で晒されました。強い光が染料を脱色させ、穏やかな表情を作ります。
織り手が織ったのは、草原の目覚めでしょう。
茎の先には大きく膨らんだ蕾があります。花開く時を待ちながら、小鳥たちの飛び交う声が聞こえます。乾燥地帯の天空を飾る星の強い輝きを、織り手は大きく表現しています。
大地から伸びる茎には天然の焦げ茶のウールを使い、光の脱色を避けています。
何もかも知り尽くした織りの達人は、５０年後、１００年後をイメージしながら、どの時代でも、見る者を驚かせ気を惹くキリム作りに、心弾ませながら向かっていたのでしょう。
タペストリーに最適ですが、どこに置かれても素敵なキリムです。
