KJ17502、363x94cm、シバス、アンティークキリム(ウール/ウール)

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キリムNo.: KJ17502

産地: シバス、アンティークキリム(ウール/ウール)

寸法: 363x94cm

価格: 374,000円

1998年に手に入れたシバスのアンティークキリムは、すっかり無駄毛がなくなったウールが自然光を浴び、それぞれの色が深く美しく輝いていました。2枚に剥がれた細長い大きなキリムの仕事の細かさと糸の細さはもとより、色の発色の良さに驚かされました。
中心のインティゴを基調にした透明感のある紺色と藍色は茜色と良く馴染み、ベースカラーである染色された深みのある茶色との組み合わせが、織り手の染色技術の高さを語っています。シックな色の組み合わせにアクセントとして使われたのが真っ白なコットンです。
藍、赤と白の色調は、東トルコのクルドの人々のキリムにも良く見られます。

地中海岸で栽培されるコットンを、織り手はキリムの中心に使いました。珍しいコットンを手にした織り手が考えた末に織り上げたキリムは、その落ち着いた色調と高い技術が称賛されたことでしょう。
織られた当時は同じ白さであったはずのウールとコットンですが、100年の時間と光がこのようにそれぞれの白を変えました。使い込むほど白さを増してきたコットンは、キリムの古さを教えてくれます。天然の白いウールは時間と共に落ち着いた黄みがかった生成り色になり、これも古さを伝えています。
自然の力も加わり磨かれ続けたキリムは、織られた当時とは違った表情になり、古さと華やかさが同居する独特の世界を見せています。

アンティークキリムの多くがそうであるように、この織り手は縦糸に、2本の糸を一本に撚る双糸(そうし)を使っています。強く細く丈夫に糸を作れるからこそ、100年以上の使用に耐えられるキリムが生まれるのです。
キリムの大きさからは想像できない程の細かい織りは、先祖伝来の柄、糸、織りをしっかり子孫に伝え継ぐという信念に裏打ちされた織り手の仕事です。織り手は培ってきた技術のすべてをキリムに織り込んでいます。

100年もの間使い継がれてきたキリムを、同じタッチで修理したのが現代の修理人です。
織り手がいて、使い継いだ人がいて、自然の力が加わり見せるキリムの表情の華やかさの裏にある100年前のキリムを想像するのも密かな楽しさです。

*もう片方は現代糸での修理をしたくなく、クッションはじめ小物を作ることにいたしました。



眼=邪視除け、 ベレケット=豊穣、 ドラゴン=豊かさをもたらす


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