KJ34044、234x151cm、フェティエ、オールドキリム(コットン/ウール)

キリム長さ 2m以上, 商品

キリムNo.: KJ34044

産地: フェティエ、オールドキリム(コットン/ウール)

寸法: 234x151cm

価格: 286,000円

オールド前半のフェティエは、化学染料で染めた色糸が使われています。赤、オレンジ、藍は、色に深みと膨らみを出すため何回か色を掛けながら丁寧に徐々に濃くしていく草木染の技法が使われています。お陰で50年の時間が経過した現在でも、鮮明でメリハリある縞のグラデーションは美しく、丁寧なカッチリした織りは、いつまでも使えることを語っています。

本来、伝統的なキリムの縦糸は、身近にあるウールやヤギの毛が使われてきましたが、この頃よりマーケットで、縦糸にウールより丈夫なコットンが使われたキリムを見かけるようになりました。キリムが基幹産業として輸出が盛んになった時期です。

1950年代に始まった政府の定住化政策により、遊牧民たちはそれぞれの土地に定住するようになりました。遊牧生活の間、テントの中の家具としての必需品であったキリムは、この時から必要なくなりました。技術を身に付けている織り手達はそれ以降、輸出用キリムの頼もしい織り手達となりました。

1970~80年ころ、デニズリやカイセリなどの輸出産地では、外国人の需要に答え、本来の伝統的キリムとは違った輸出用キリムを織り始めました。植物染料を化学染料へ、手紬糸を機械紡ぎ糸へ変えることにより、安価で使い易いキリムの生産が増し、外国人のインテリア空間を生めるキリム作りが盛んになりました。

フェティエの織り手たちはそんな情報を知りながらも、あくまでも先祖伝来の色調とサイズにこだわりながら伝統のキリムを織り続けました。
彼女たちは問屋さんの指示に従い、縦糸をウールからコットンへ、染料は植物から化学へ変えながらも、昔と変わらない技術で、輸出されるキリムを丁寧に織り続けました。
収縮性の違う綿とウールを使い分け滑らかにしなやかに織ったのは、長年自家用キリムを織り継いできた熟練した織り手たちです。

横幅がある使い易い縞柄のキリムは、50年程経った現在、ようやくキリム本来の持ち味を見せ始めています。

洗濯の水切りがうまくない子孫がいたのでしょう。なんとなく色が出ているような感じのあるキリムですが、天然のベージュ色とうまく馴染み、このキリムならではの表情を見せています。

 



ベレケット=豊穣、 バードック(ごぼう)=裕福、 眼=邪視除け


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