KJ18680、140x105cm、シャルキョイ、アンティークキリム(ウール/ウール)

キリム長さ 150cm前後, 商品

キリムNo.: KJ18680

産地: シャルキョイ、アンティークキリム(ウール/ウール)

寸法: 140x105cm

価格: 198,000円

1999年に出合ったシャルキョイです。コチニールの紅赤と落ち着いた灰色がかったベージュの、おしゃれでこなれた大人の雰囲気が気に入りました。

コチニールは19世紀、オスマントルコンの時代、トルコ領であったアフリカ、カナリア諸島で盛んに生産された動物性染料です。サボテンなどに寄生するカイガラムシなどの昆虫が原料となります。これらの虫を大量に採取し、乾燥させ、粉末にするという、根気と時間を必要とする、とんでもない染料です。
セッチャーデ・サイズ(約170x110cm)で、約20万匹の虫が必要とされたほど大変な作業であり、高値なのが頷けます。希少価値が高いこのコチニールが使われているキリムは、大体100年以上前のものです。

シャルキョイはヨーロッパ側トルコにある町で、隣は東欧からカフカス地方へと続いています。
東欧のルーマニアやブルカリア地域に伝え継がれた細い縦糸と横糸の薄く目の摘んだ織物、ロシアの南にあったベッサラビアに伝わってきた花、鳥、植物などの具象柄を描いたキリムなど、それぞれの土地に受け継がれてきた様々な織物が、オスマントルコ時代よりシャルキョイに集まりました。
これらのキリムは、アジア側トルコ・アナトリア地方に伝え継がれた遊牧民の伝統的な幾何学文様とは違い、その繊細さ、薄さや色使いに、トルコの織り手達は魅了されたのです。

創造力豊かな織り手達により、具象的な花々や鳥は幾何学文様化され、シャルキョイ・キリムとしてトルコでも織られるようになりました。又、オスマントルコの支配下になった東欧やカフカス地方のキリムも、イスラムの伝統である幾何学文様で表現されるようになりました。

透明感のあるコチニールと灰色がかったベージュのこのキリムが見せる深く落ち着いた雰囲気は、私たちを遠い昔に誘います。現代の織り手にはとても織れない薄さのキリムは、日本間でも洋間でも、「床に置く絵」としてピッタリのアンティークです。
細い修理糸はなく、現状のお渡し価格にいたしました。



ベレケット=豊穣、 狼の口=邪視除け、 眼=邪視除け、 鳥=幸せの予感、

 


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