KJ31686、142x36cm、東トルク、クルディッシュ、アンティークキリム(ウール/ウール)

商品, 小さなランナー

キリムNo.: KJ31686

産地: 東トルク、クルディッシュ、アンティークキリム(ウール/ウール)

寸法: 142x36cm

価格: 176,000円

様々な技法の細長いランナーを、好んで集めている問屋さんがいます。尋ねるたび、手元にある珍しい織り方の説明を熱心にしてくれます。

隣のKJ33985,ヘルキ族のアンティーク布は、細い縦糸に横糸を入れる平織りをしながら、横に入れた糸の上に柄になる色糸を入れる刺繍(ジジム)織りです。クルド系民族ヘルキ族の、目を見張るほどの凄い仕事に驚かされている私たちの前に、技法の似たクルディッシュのものだと言うランナーを広げながら、問屋さんは説明を始めました。
一見同じ織りに見える、何枚も細い織物を剥ぎ合わせ布は、どちらも驚くほど細かい仕事です。

2004年に手に入れたこのランナーは、ヘルキ族の織り方にそっくりです。
出来上がりを念頭に織り手は6m近く縦色を張り、幅8cm程の細長い布をまず織りました。それを4枚にカットし、ヘルキの織物と似た技法で織り、カットし、剥いでいます。

織り方は縦糸に横糸を入れながら、その横糸の上に柄になる色糸を横に入れ織っていくジジム織りです。柄の両側には茜の糸を縦糸に巻き込みながら織る技法が使われています。
明るい色調は濃い色調を得意とするヘルキの織物とは違いますが、何かが繋がっているのが見えてきました。

ヘルキ族はクルド系民族で、東トルコのバン、ハッカリからイラン、イラク北部の国境周辺の山岳地帯に居住し牧畜をした人々です。濃い重厚感ある色調が彼らの特徴ある色です。

このキリムを問屋さんは、「クルディッシュ」すなわちクルド族の織物と表現しました。
オレンジを含んだ赤色や艶やかなウールから想像するに、太陽の恵みを存分に受けたマラティアのような地域が浮かびます。

ルーツは同じでも、長い時間をかけ移動地域がそれぞれ別れた彼らの色調は変わってきました。しかし、それぞれが伝え継いできた丁寧さや格調の高さ、そして美しさに、織り手達に共通した心意気を感じるのは私だけではないでしょう。



眼=邪視除け、 羊の角=繁栄、たくましさ、 


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