KJ13570、360x94cm、シバス、オールドキリム(ウール/ウール)

商品, 逸品キリム

キリムNo.: KJ13570

産地: シバス、オールドキリム(ウール/ウール)

寸法: 360x94cm

価格: 693,000円

1995年に出合ったキリムです。「アンティークになれるキリムだよ。」と、問屋さんが広げたランナーは、しなやかに床に吸いつきました。黄系と赤のシバスの伝統色の、織りのうまさがグイグイと伝わってくる、大人の雰囲気をたたえたキリムです。控えめにきれいにまとめられた柄は穏やかで優しく、バランスの良い上品な出来栄えは高い技術の織り手を連想させ、瞬間に惹き付けられました。

問屋さんの「キリムの命はウールだ。上等だからこそ大事に使い継がれたキリムだ。」の説明に、手に取ると、横糸がビシッと入っているにもかかわらず、表面の触り心地は柔らかく、確かに上質とは何かを語っていました。

シバスは昔よりペルシャとイラクの交易ルートの重要な要所であり、商業都市として栄えてきました。お陰で、礼拝用キリムを始め、長さ3~4mx幅2m近くもある2枚に剥がれた大きなキリム、小さいキリムそしてこの様なランナー等、沢山のおしゃれ感のあるキリムが伝え継がれてきました。
東部アナトリアに位置しながらも水の豊富なシバスは、この様に明るい、又は、パステル系の赤、緑、橙、藍、茶や天然の濃い茶から白まで、幅のある色が伝えられてきました。キリムの色調は、東トルコのどの地域よりも明るいものです。また、キリム柄も、沢山の小柄で埋め尽くされたキリム、大きなメダリオン柄や一方方向に柄を付けたサーフ・デザインなど多様です。

一目でシバスと誰もが分別できるこのランナーの最大の特徴は、黄金色始め、黄緑、赤、紫、藤色、青、オレンジなどの濁りのない美しい色調です。
織り手達の憧れの色は「緑」です。緑に挑戦できるのは、豊潤な土地に住む織り手のみです。植物から出る黄土色に藍を加え、緑に近づけていきます。そして、その工程に赤を加えると黄金色に行きつきます。しかし、色と色の混ぜ合わせは難しく、この様に濁りのない透明感のある色出しが出来るのは、染色技術に長けたごく少数の織り手でした。

別格のキリムは、ゆったりと落ち着いた表情で、存分に光を浴びながら満足そうです。




ベレケット=豊穣、 眼=邪視除け、 狼の口=邪視除け、 エリベリンデ(腰に手を置く女性)=繁栄、多産、豊穣、羊の角=繁栄、たくましさ 櫛=幸せな結婚を願う


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