KJ37635、106x167cm、ディアルバクル、オールドキリム(ウール/ウール&キャメル)

キリム長さ 170cm前後, 商品

キリムNo.: KJ37635

産地: ディアルバクル、オールドキリム(ウール/ウール&キャメル)

寸法: 106x167cm

価格: 198,000円

ディアルバクルはトルコの東南部にあるクルド人の中心的な都市です。イラン・イラクと黒海・地中海方面への街道を結ぶ地点にあり、古代から交易地として栄えてきた街です。三世紀に作られたと言われる玄武岩の城壁が旧市街を囲み、市内には中世に建立されたモスクや神学校が残っています。
15年程前の夏に訪れたディアルバクルは、市内のホテルにもかかわらず、ベッドのカバーの上には砂が薄く乗っており、乾燥地帯の生活を垣間見た気になったのを思い出します。

植物も少ないディアルバクルのキリムの多くがナチュラルです。上質で知られるキリムは、羊、ヤギやキャメルなど、身近にいた動物の毛すべてが素材でした。
織り手達には、動物のブチの毛を色ごとに分ける作業が日常でした。これから織るキリムのデザインの構想を練りながら、手は微妙に違う色を根気強く分けていったのです。 
刻々と変わる真っ青な空、夕暮れ時の雲の動き、見上げた夜空に浮かぶ星、色のない分、織り手達は想像力を膨らませ、それぞれの織物の中に織り手自身を表現していきました。

これは長さが3m近い大きなキリムでした。
上等のウールにキャメルを混ぜ織られた別格のキリムは、家宝のように大事に使い継がれてきました。しかし、問屋さんの元に来た時には、修理が必要な状態でした。
羊は年に2回毛を刈り取れる、毛の成長の早い家畜ですが、キャメルは人間と同じく、脱毛します。何年もかかり丹念に集めたキャメルの毛は大変な貴重品であり、修理用に使いたい糸は、当然ありません。

広げられたキリムの前で半日考えた末に出した結論が、使える所を生かす事でした。
3mのキリムを仕入れた私達の手元には、上下にきれいにステッチが掛けられたこのキリムと、部分的に穴の空いたキリムが届きました。
土から生まれ、工夫して使い、最後は土に還すという、織り手達の姿勢に沿ったスタイルに従い、約3年かけ、いくつかのクッションに再生させた私たちに、織り手は満足げな顔を向けてくれると思います。




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