KJ37205、86x43cm、トルコ、コンヤ、オールドジジム織り(コットン/コットン&ウール)

キリム長さ 90cm前後, 商品

キリムNo.: KJ37205

産地: トルコ、コンヤ、オールドジジム織り(コットン/コットン&ウール)

寸法: 86x43cm

価格: 47,300円

11~13世紀、セルジュク朝トルコの首都であったコンヤは、当時から交易品を抱えた多くの外国人や旅人で賑わいました。コンヤ近郊を移動した遊牧民にも目新しい品々で溢れるバザーは、必ず訪れなくてはならない胸躍る場所でした。
コンヤを目指し精出し作ったバターやチーズ、羊肉などの加工品、床敷きやタペストリー用のキリム、薄く平織りされたペルデと呼ばれる大きなカバー用の布などの品々の交換が終わると、待ちに待ったバザール見学です。

久々のコンヤの風や匂いを肌で感じながら、織り手達は興奮気味に街を歩きます。
彼女達は、外国人の衣装に目を見張りながら、見たこともない新鮮な色彩をしっかり感覚に埋め込んでいきます。目に映る他部族のキリムの色調や柄は、次の織物の構想につながります。憧れの化学染料や素材を手に入れた織り手は、浮き浮きしながら次のキリム織りに取り組んだのでしょう。

左のKJ-33972はこの織り手の先祖のものです。部族の伝統柄が、織り手によりこれほど違った表情になりました。
100年近く前に織られた先祖のしっとりしたキリムを前に、自分らしさを表現したい織り手は、バザールで手にした真っ白なコットンを縦糸と横糸に使っています。柄付けのジジム織りの色糸も、手にしたばかりの化学染料で染めました。約60年位前のキリムです。
使い込むほど白さを増していくコットンに、先祖を尊重しながらも、自分らしさを追求し続ける織り手の姿勢が見えます。キリムがいつの時代も支持された理由がここにあります。

太く撚られた綿糸は、細く撚られた2本の綿糸を1本に撚った、より丈夫な双糸(そうし)です。ジジム織りの下の地を見ると、縦も横も白いコットンなのに、どうしてか上下のフサにはグレーがかけられています。不思議に思い問屋さんに訊ねると「柄に使われているグレーをかけてみた。先祖との共作さ。」と、すまし顔です。

綿より丈夫なコットンのかわいらしいキリムは、部族の誰からも可愛がられ、清潔な表情が好まれたのでしょう、何度も洗濯されました。色流しの水が十分でなかったせいで、薄く色が滲んでいる所がありますが、気にならないほどコットンの白さは冴えています。




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