KJ32116、206x120cm、シブリヒサール

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キリムNo.: KJ32116

産地: シブリヒサール

寸法: 206x120cm


2004年、久しぶりに目にしたシブリヒサールです。
「シブリヒサールの織り手は皆アーティスト!」と思わせるほど、一枚一枚に個性があり、魅力たっぷりなキリムの産地です。誰もが魅了されるキリムは、すでに品薄、高値となっていますが、シブリヒサールに出合えたら、また、手にしたいほどです。

トルコ語で「尖塔(せんとう)のある城」という意味を持つシブリヒサールは、トルコ、西アナトリア、アンカラの隣のエスキシェール地方にある町です。
ここには、幾重にも積み上げられたミフラブデザイン(複数の礼拝用のニッチ)が伝え継がれています。ニッチの数は、3~14までが垂直に積み重ね織り上げられています。
また、エリベリンデ(腰に手多く女性)が画面一杯にたくさん織り込まれているキリムやニッチとエリベリンデを一枚の画面に織り込んだキリムなども伝えられてきました。

ローマ時代やヘレニズムの遺跡が近くにあるこの町で、織り手たちはたくさんの古い風と新しい風を吸収し、自分のものとして行ったのでしょう。穏やかな土地も織り手たちの力強い味方でした。季節の移り変わりや手にできる植物は、織り手たちの色彩感覚をより複雑に鍛え、その感性に一層磨きをかけました。

ここの最大の魅力はこの赤色です。独特で豊かな赤色は織り手だけの赤であり、同じ色は2つとありません。一枚のキリムの中の赤色は、茜を基調にしながら、数えたくなるほど違う表情を見せています。色から織り手の心意気が伝わってくるのがシブリヒサールです。
黄緑色しかりです。豊かな土地に生息する植物から出る色は、黄土色です。それにインディゴの藍を加えながら、黄緑色を作ります。濁りなく染め出された黄緑も、何色かの凝った色を作っています。

来世を信じたイスラム教徒の織り手は、5層のニッチとエリベリンデで、彼女が想い夢に描く楽園をキリムに魅力的に織り込みました。神様との楽しい対話は、織り手の気持ちも手も軽やかにし、素晴らしい工芸品を生み出しました。

華やかにも、静かにも見える、上品で落ちつた上等のキリムは、これからもたくさんの称賛を受けながらその魅力を振りまき続けるでしょう。





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