KJ13592、124x90cm、西アナトリア、チャル、オールドキリム

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キリムNo.: KJ13592

産地: 西アナトリア、チャル、オールドキリム

寸法: 124x90cm


西アナトリア、チャルは、現代キリムの一大産地のデニズリやウシャクに近い街です。昔から、赤、橙、ピンク、緑、黄色などの、明るい暖色系のキリムが伝えられてきました。
中でも、茜をベースに染められるチャル独特の赤色は、「チャルの染め手は皆アーティスト!」と言わせるほどです。軽やかな赤、明るい赤い、暗い赤、重い赤、重ねられた深い赤いなど、二つとない幅のある赤は、色が織り手を語っているようで、とても魅力的です。織り手達の実力を伝える織りは、勿論、細かく薄く美しいです。
探せば必ずお目当ての赤色に出合えるチャルキリムは、確かな色彩感覚と想像力を持った、生まれながら色に精通したアーティストたちにより織り継がれてきました。
「チャルの織り手は皆アーティスト!」です。

1995年に出合ったチャルは、「チャルの織り手がこれを織ったの?」と、思わず声が出たほど、おかしなキリムです。底抜けに明るく若い色使いに、誰もが「かわいい!」を連発します。思いつくままに染められたかのような色は単純です。
上等のウールは多色にツヤを与え、キリムのいびつな形すら愛嬌に見せる力を持っています。見れば見るほど、本当にチャルの織り手?の疑問が膨らみます。

滅多に見た事のないガタガタな柄付けは、見る度、笑いが浮かぶほどユーモラスです。真中の大きな星を囲む沢山の狼の口は、二つと同じ形がありません。織りが下から上に進むにつれ、狼の口は小さくなっていきます。若い織り手は四苦八苦しながら、確実に技術を身に付け、色使いを楽しみながら織りを進めていきます。

植物と化学染料で染められた糸は、色止めが確かでない為に色がにじんでいます。おもちゃ箱をひっくり返したように次々と目に飛び込む多彩な色は、織り手の感性が色で表現された彼女の世界です。色の多彩さは色のにじみも表現の一部にしています。

縦糸に使われたコットンも、横糸のウールも、糸の撚りはしっかりしています。祖母に織り方を習い始めたばかりの織り手の技術では、中々均一には織れません。懸命に手を動かしながら横糸のさばき方に慣れた頃は、織りの終わりです。

熟練しチャルのアーティストの一人となった織り手を、懐かしいあの頃に運んでくれる裾広がりのキリムは、何よりも大事な一生を共にした益友だったはずです。




星=幸せへの願い、 狼の口=邪視除け、


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