キリムNo.: KJ17344
産地: イズミール, 新作草木染キリム(30年位)
寸法: 147x109cm(含フサ)
価格: 308,000円
藍色がテーマカラ-で、藍色をベースに何色もの透明感のある色を作り出すカラーマジシャンのような問屋さんが、最後の最後まで首を縦に振らなかった彼の秘蔵っ子です。
細い特上のウールをどのキリムよりも細く機械で撚っています。
お蔭で、新作キリムでありながら、その薄さとしなやかさは何十年も使い続けられたキリムのようです。草木染のそれぞれの色は、いまだ踏まれたことがないため褪色が始まっていませんが、時間の経過がこれから見せてくれる表情の変化は、持つ人を十分に楽しませてくれます。アンティークになった時の表情を想像しながら、日々を共に楽しむ益友としての役割を果たしてくれる、とびっきりのキリムです。
その昔、遊牧民の家具であり、娘の嫁入りの持参品であったのがキリムです。
彼の先祖の織り手たちは、どこまでも細い糸を使い、薄くて美しいキリム作りに心を砕きました。それがキリムを文化として育て、伝統として代々引き継がせてきたのです。
経済がとても元気なトルコです。 経済的に豊かになると、このような手仕事は徐々になくなっていきます。この問屋さんの危惧がここにありました。
先祖の伝統を引き継ぐどころか、織る事そのものが段々難しい仕事になっているという現実は、23年この仕事をしている私たちも感じています。
この問屋さんは、20世紀後半の織り手たちが、これだけの仕事を残したと言うことの証明をしているのです。100年以上前の先祖に劣らず見事な出来ばえのキリムは、先祖を誇り敬う深い気持ちを持ったパトロンたちの、採算を度外視した熱い思いに支えられ、織り上げられました。
今後、これ以上のキリム作りは、技術的にも経済的にも無理な時代に入っていると思います。どこまでも伝え継ぎたい草木染の逸品です。
眼=邪視除け 鳥=幸せの予感 羊の角=繁栄、たくましさ、足かせ=友愛
水の流れ=生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い