KJ26322、93x72cm、ヘルキ族、ベイリーオールドチュアル(衣類袋表)(ウール&ヤギ/ウール)

商品, 逸品キリム

キリムNo.: KJ26322

産地: ヘルキ族、ベイリーオールドチュアル(衣類袋表)(ウール&ヤギ/ウール)

寸法: 93x72cm

価格: 180,000円 (税別)

2001年、キリムの選別をしていた私たちに、「これぞキリムだよ!」と、満面の笑みの問屋さんが広げたのは、70年程前のオールドチュアル(衣類袋)の表側のキリムです。
左右の柄が違った面白い構成ですが、問屋さんが言う「これぞ!」は、他にありそうです。

床に広げられたキリムをよく見ると、縦糸は2本の糸が太く丈夫に撚られた双糸(そうし)です。双糸は、ウールとウール、ウールとヤギ、そして、ヤギとヤギの組み合わせで撚られ、織り手の高い技術を余すところなく伝えています。しかし、見えない部分にさりげなく実力を示している織り手を「これぞ!」と言っているのではなさそうです。

これほど高い技術の持ち主の仕事にもかかわらず、横糸の入れ方が一定でなく、滑らかな柄部分の織りに対し、縞部分の織りはたどたどしくムラがあることに気付きました。その織りをまじまじと見ていたスタッフ、「はい、はいー!」と手を上げ、「共作!これ祖母と孫の共作です!」と自信満々に答えました。

「正解!先祖から子孫への伝承方法を見せている傑作さ。」と、問屋さんは答えました。
キリムを織る母や祖母のそばで遊びながら、女の子は5歳位から織りを学んでいきました。目や感覚に染めや織りをしみ込ませ、15~16歳の適齢期になるころには、織る事を身に付けていた遊牧民の子供たちです。

スタートから15cm位の上部は、先生である祖母の手本です。横糸の入れ方、引っ張り具合、詰め具合など、縦糸と横糸の扱い方を教えながら正確に手を動かす祖母のそばで、その手を熱心に見つめながら感覚に織る事をしみ込ませていく孫娘です。

さあー孫の出番です。孫の教材であっても、家族が使う大事なチュアル(衣類袋)です。
祖母は、色糸の部分は自分で織り、縞部分のみを孫に任せました。あまりのたどたどしさですが、懸命に織り続ける孫娘を祖母は我慢強く見守ります。
祖母の血を引いた孫の仕事は、20cm位進むと見違えるように滑らかになっています。それを確認した祖母は、最後の20cmの色糸部分も孫娘に任せています。

祖母のたっぷりな愛情と孫娘のひたむきな姿が織り込まれた共作キリムは、伝え継ぎ方を見せながら、伝え継ぐことの意義と誇りと情熱も伝えています。二人を想像しただけで笑顔が浮かぶ共作キリムは、100年近く前の心地よい時代に見る者を運んでくれます。




眼=邪視除け、 イヤリング=幸せな結婚を望む、 櫛=幸せな結婚を願う


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