KJ31630、78x48cm、コンヤ、アンティークジジム織り(コットン/ウール)

商品, 逸品キリム

キリムNo.: KJ31630

産地: コンヤ、アンティークジジム織り(コットン/ウール)

寸法: 78x48cm

価格: 93,000円 (税別)

SOLD OUT

「キャー、何?この細かさ!」と、絶句したのは織りをするスタッフです。
その声につられ肩越しからのぞき込む私たちに、「技術にゴールはないんだよ、当時の織り手達には。」と、先ほどから私たちを観察していた問屋さんも、しげしげとこのキリムを眺め始めました。

織り手が織ったのはトルコ語でヤストクと呼ばれる90x60cm前後の袋です。ヤストクは、夜は枕に、日中は大事な小物入れに、そして移動の際は、穀物や小物を入れ家畜の背に乗せ、次の放牧地に運ぶ袋として使われました。
織り手は細かい穀物がこぼれないよう、縫い糸のように細く強く撚ったコットン糸を縦糸と横糸に使っています。現代のキリムと比べるとまるで神業のような仕事です。

現存のアンティークキリムの多くが、基本となる縦糸と横糸に上質の糸を使っています。
ほとんどのキリムは、熟練した織り手が自然の力を借りながら、自身の技術のすべてを使い、100年後の美しい繊細な姿を想像しながらエネルギーを注いでおり、瞬間に見る者をとらえる力を持っています。
アンティークキリムの落ち着いた姿は、今が旬と言わんばかりの表情で、キリムの100年とはそれほど長い時間でない事を語っているようです。

天然の濃い茶色で括られたひし形は「眼」の集合体です。その中に、薄茶、藤色、オレンジ、赤、抹茶、ピンクなどの暖色の色糸で、無数のエリベリンデ(腰に手を置く女性)が織り込まれています。織り手は、繁栄や豊穣、多産の願いをそれぞれの柄に込め、手を進めています。

ため息が出そうなほどの数のエリベリンデですが、何十枚もキリムを織った熟練した織り手には、ようやく自分を表現できる織物作りに没頭できる時は、何物にも代え難い至福の時間でした。笑顔で手を動かしながらの楽しみは神様との対話です。
心地良い時間が、神業のような作品を作りました。技術にも、心にも、ゴールを持たない織り手です。



眼=邪視除け、 エリベリンデ(腰に手を置く女性)=繁栄、多産、豊穣、 水の流れ=生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い、

 


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