KJ36386、105x59cm、東トルコ、マラティア、アンティークキリム

商品, 逸品キリム

キリムNo.: KJ36386

産地: 東トルコ、マラティア、アンティークキリム

寸法: 105x59cm

価格: 98,000円 (税別)

夕方、挨拶に訪ねた問屋さんのオーナーズルームに掛けられたタペストリーは、使い込まれた色調がダウンライトの下で暖かく、見る者を包み込むような優しい表情で私達を迎えてくれました。改めて訪れた際、日中の太陽にさらされたキリムが見せる色の動きは、まるで光と色のスペクタルショーを見ているようでした。

多くの織り手は、一枚のキリムの中に「一日」を織り込むそうです。
暗い内から始まる乳搾り、家族の食事の世話、太陽が昇り外が明るくなるころ、男性達は家畜を連れ草原に出かけます。部屋の片づけから絞った乳の加工など、毎日の作業が終わる頃、太陽が高くなります。
さー、織りの時間です。日中から日没まで、織り手達は織り機に向かい、無心にあるいはおしゃべりしながらも織る手を動かし続けます。夕方、草原から戻った家族との夕飯と団欒そして就寝まで、織り手の時間は忙しく目まぐるしく過ぎていきます。この一日がキリムの中に表現されているのです。

これは本来チュアル(衣類袋)として織られた袋です。
山岳地帯でありながらも水と光に恵まれたマラティアは、上等な毛と透明度の高い豊かな色調のキリムの産地として知られてきました。
糸が細く強く撚られた袋からは、嫁入りの大事な持参品であったことが伝わります。細かく織り込まれたジジム織りからは、織り手の織りの技術の高さが伝わります。嫁ぐ娘が結んだであろう「幸せの結び」からは、結婚への喜びと大きな期待が伝わります。

100年以上もの間、大事に使い継がれたチュアルですが、すっかり無駄毛が取れ美しい褪色が楽しめるようになった現在、痛みが出てきました。
子孫である問屋さんは、長い間温めていたそのキリムをようやくカットし、一針一針、丁寧に横糸を同じ色で括り、見事にこの様に再生させました。
蘇ったキリムは、暖かく包み込むような表情で、再び輝き始めました。



眼=邪視除け、 水の流れ=生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い、
結び=結婚の決まった娘が、相手と固く結ばれます様にの思いを込め結ぶ、幸せの結び


▲トップに戻る