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標高の高いムットでは、木の芽を食べ、運動量の多いヤギが飼育されていました。織り手は身近にあるすべての物を活用し[My World]をキリムの中に織り込んで行きました。夏場に採取した植物は乾燥させ、まず薬草として使い、残った植物を染料に使用したのです。キリムの染色も根気と年数のいる作業だったのです。
このキリムは縦糸にヤギを使っています。カーリーな羊の毛と違い、ヤギは毛同士が絡み合わない直毛です。おまけに乾燥した時期には、クルリと丸まってしまう特性があります。縦糸にヤギ、横糸にウールが通常使われるムットのキリムには、両脇が反り返ったり、丸まったものが時々見られます。これはウールとヤギの伸縮性の違いが原因です。
織り手に技術力があればこのような問題は起きません。
シッカリと固く撚られた縦糸に、横糸は天然の茶、白と茜で、この地域に古くから伝わる独特なデザインのキリムを織り上げました。茜を使い、水や土を工夫し、赤、橙、黄色にかけて様々な色を作り出している織り手のセンスと技術力に脱帽です。
織り手の女性たちは工夫することを楽しんで日々キリムに向き合っていたのです。
小さいけれど存在感のあるこのキリムは、抑えた色使いのお陰でどの様な空間にもマッチします。
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